医療ホームページ制作会社のひとりごとスタジオでの写真撮影

よいHP、悪いHP、ふつうのHP [コンテンツ篇]


医療ホームページ、クリニックのウェブサイトを作成しつつ、毎日考えていること。ひとりごとなので、気にしないでください。

次はコンテンツやデザインからみて、ホームページの良し悪しを議論してみましょう。

まず当社が一番気にしているのは、ホームページのファーストビューに安心感、信頼感があるかどうかです。
ではそうした安心感や信頼感は、何から醸し出されてくるものなのでしょうか?

・クリニックウェブサイトの最適デザインとは

ひとつには、デザインで良いイメージが打ち出されているかどうか、プロが作ったしっかりした感じになっているかどうかという問題があります。
プロのデザイナーはデザインを基礎から勉強しているので、心地よいデザインや、統一感のあるデザインをきちんと作成します。色遣いや文字の大きさにも配慮します。ですから素人が作るものとは明らかに違いますし、それは読者にちゃんと伝わります。
それどころか、デザインの力で、クリニックやドクターの弱みはカバーできますし、むしろ挽回して強みに変えることすらできるんです(当社は常にそれを意識しています)。駅から多少遠くても、問題のないように。さびしい場所でも、繁華なところのように。現状は患者さんが少なくても、繁盛しているように。自由自在です!

ところがドクターは、優秀だし器用な人が多いので、ホームページを自作する人も少なくありません。自分で作ったホームページはかわいく思えるものです。ですから10年以上前にご自身が作られたホームページをずっと運用されている方もいらっしゃいます。
しかしそこは心を鬼にして、客観的に潜在患者の目線に立ってご自身のホームページを分析してみることをおすすめします。
ポイントは、そのホームページがライバル医院のサイトと比較して、潜在患者に安心して来てもらえるイメージを出せているかどうかです。

デザインは想像以上に重要で、デザインが悪いホームページは、読み手との間に距離を産んでしまいます。
「手作り感があったほうが温かみが出てよい」などとおっしゃる人もいますが、計算された手作り感であればそうなのですが、マジものの手作り感であれば、潜在患者さまにとっては不安要素にしかなりません。

当社の場合はセミオーダーで、その医療機関の患者層や地域性を織り込んだデザインを行っています。
ウェブディレクターが「ここは住宅地で、先生はこういう感じの人だから、テンプレートのデザインはこういう感じで、ボディ部分にはこういう工夫を……」と細かく指示しています。デザイナーは頭をひねって、ディレクターの要望に応えるデザインソリューションを行います。これはかなり高度なやり取りで、相当時間がかかるプロセスですし、なによりも「こんな感じで」というディレクターの指示するイメージをうまくデザインとして具体化できるデザイナーは、なかなかいるものではありません。
当社の場合は、デザインの最高峰である桑沢デザイン研究所を卒業し、3年以上パリのデザイン事務所に勤めていたような、優れたデザインセンスを持つデザイナーたちと、ケンカをしながら最適なデザイン解を求めて制作を行っています。できるデザイナーは色遣いも、写真の選択も、写真の使い方も、まったくレベルが違います。デザインは闘いの末に導き出されるものなんです。これは一流の感覚を持つクリエイターでないとわからない世界だと思います。

ところが一般的な医療サイトは、三流デザイナーよりも下の世界で、どこにでも応用できるテンプレートを利用して作っています。これは当社から見ると、集患効果的になかなか厳しいものがあります。
「何百種類ものテンプレートの中からお好みのものをお選びください」って、そういう問題じゃないんですけどね。テンプレートの数ではなく、そのクリニックの立地や客層にぴったり合っているか、用意できたメインビジュアル、ロゴタイプと組み合わせてしっくりくるデザイン効果が得られるかが勝負の分かれ目なのですが……
ロゴマークも、最近はずいぶん安く作る業者がありますが、これはデザイン学校の生徒や新卒者にアルバイトで安く発注し、適当に手直しして納品するという方式です。医療機関の顔であるロゴマークが、こんないい加減な製作方法でよいのかと常々思います。

とにかくウェブ周りのデザイナーは腕がひどい人ばかりなのですが、医療関係はさらにひどくて、プロとは言えない人ばかりのように思います。デザインは文化です。まずいデザインをクリニックの顔にするのは、患者さんやスタッフのためにもよくないと思います。

・医院内の紹介写真には配慮が必要

もう一つビジュアル要素として非常に重要なのが、医院内の写真です。
多くの医療ホームページでは、クリニックを新規開業したときに撮影した、人のいない寒々とした待合室や診療室、検査室、処置室、医療機器などの写真しか載っていなかったりします。
えーと、果たして誰がいるのかもわからないところに、命を預けに来る患者さまがいるでしょうか?
下手をすると、院長先生の写真すら載っていなくて、外人モデルの写っているイメージ写真しかなくて、医院内の写真も1枚もないホームページすらあります。
医院内の写真には、人が写っているべきです。それがどれだけ患者さまに安心感を与えて、「このクリニックにかかろう」という判断の後押しをしてくれるものかあまりドクターは考えないようですが、これは非常に重要な要素です。
できれば、一緒に働いているスタッフの写真も載せておきたいものです。

・動画(フラッシュ・スライド)にはセンスのよいコピーが必要

フラッシュやスライドなど動的な要素をトップページに配置しているホームページも少なくありません。
この場合、きちんと意味のある心地よいコピーが流れている動画であれば医療機関のイメージ向上にプラスなのですが、不思議なことに無意味なコピーや平凡なコピー(バカげた繰り返しコピー)、意味性がない動画を使っているサイトが、意外に多く見受けられます。そうするとマイナスイメージになってしまうので、患者さまはよそに行ってしまいます。

コピーライティングにはそれなりの才能が必要です。コストをかけないと、よいコピーライターは得られません。
おそらくこれは、フラッシュ制作で別料金を取ることになっていて、優秀な営業マンがフラッシュを売り込んだものの、制作サイドの腕が悪くて、載せなくてもよいつまらないフラッシュをクリニックの顔にすることになってしまったという不幸なケースなのでしょう。笑うに笑えません。
その逆に、ホームページ全体はひどい出来なのに、フラッシュ職人の腕だけが良くてフラッシュだけが輝いているというケースも見受けられます。これもかなりアンバランスな印象を読み手に与えてしまいます。世の中、バランスが肝心です。

・テキスト 文章量がなければ患者さまは説得できない

テキストについてとても重要なことは、これもあまり重視されていないようですが、ある程度ボリュームがあるかどうかということです。
つまり、テキスト量がホームページには必要なのです。これがクリアできているホームページは意外と少ないといえるでしょう。

テキストに含まれているべき内容は2つあって、提供している医療の内容をきちんと説明することと、どのような治療方針で、どのような姿勢で患者に向かっているのかという患者さまが納得できる要素が書き込まれていなければなりません。
この、「読者にとっての納得性」の部分が、医療ホームページにおいて最もおろそかにされているところです。しかしまたこれが、「どのクリニックにかかるか迷っている」患者さまにとっては、最後の判断をするために一番大切な情報なのです。
「この先生になら命を預けても安心だ」と思ってもらえるためには、かなり力の入った説得力のあるコンテンツを作成しなければならないというのはお分かりのことと存じます。

ところがどうです、クリニックのホームページは、ドクターの側から見て、「院長の経歴はこうです。当院ではこのような治療や検査を行っています。診療時間はこうです。地図はこれです」といった、最低限の情報を一方的に伝える味気ないホームページの多いこと。これではたくさんの患者さまを逃してしまいます。
ドクターは、ご自分の医療水準に自信があるので、「必要なことを書いておけば、勝手に患者は来るだろう」と考えるお気持ちは分からないではありません。しかし開業医がやっていることには、医療行為という側面と、同一診療圏内にある他のライバルクリニックとの間の患者の獲得合戦という2つの側面があります。患者さまにこびる必要はまったくありませんが、潜在患者さまが必要としている情報は、過不足なく伝えるべきです。

大切なのは、「当院では患者さまのことを第一に考えて診療にあたっていますよ」ということを、しっかりとホームページを通して読者に伝えることです。
当社は、この部分に重きを置いて医療ホームページを作成しています。これは心がけの問題で、そこを常に意識しているかどうかによってホームページ全体のできあがりやテイストが、まったく違ったものになってきます。

長々と述べましたが、以上が医療ホームページに必要とされるSEO、コンテンツの要素分解です。
これらの要素について、現在のホームページがどうか自己評価されてみて、
「うん、これならまあ80点だ」と思われるのであれば無問題です。
「うーん、ちょっとこの部分は弱いかな」と思われたら、テコ入れをお勧めします。
「こりゃあかん、全部やり直さないと」と思われた先生は ……ぜひ当社に、このサイトのお問い合せフォームからご連絡いただければ幸いです。

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