SEO業者の指示書に従って、診療そっちのけでホームページの中身をいじるようになった竹田先生ですが、表示順位はなかなか上がりません。そうこうするうちに、トップページが検索結果で表示されなくなってしまいました。
慌ててSEO業者の営業マン君に電話すると、当の営業マン君は辞めたとのことで別の担当者が電話口に出て、「竹田先生、ちゃんと当社からの指示書の通り内部対策をしていただけたでしょうか？」と突っ込まれてしまったので、口ごもってしまいました。担当者は「それが順位の下がっている原因かもしれないので、当社のコンテンツ・ラィティングサービスも受けられたほうがよいでしょう」と畳み込まれて、追加費用を払うことになってしまった竹田先生でした。

↑検索エンジンが「この医療サイトはスパム(不正行為)に関係している」もしくは「スパムをやっている」と判断した場合、元よりもずっと順位を下げられてしまうことがあります。無責任なSEO業者が、スパムリンクや、医療とは関係ないアダルトサイトなどからリンクを張った場合はむしろマイナス評価になってしまうわけです。この場合は、スパムを解除することで、元に戻ることが多いです。

しかし最悪の場合、「トップページダウンペナルティー」を受けて、ホームページがGoogleで探せなくなってしまうことがあります。これはなかなか回復できないケースもあります。当社に相談があった事例では、医療機関ではないのですが、SEO業者に百数十万円払った末にこのペナルティーを受けてどうにもならなくなってしまったサイトオーナーがいらっしゃいました。

このような状況に陥っても、ドクターはなかなかSEO業者を疑う気持ちにはなれないものです。なぜならとりあえずの相談相手がSEO業者しかいないので、情報を業者に求めることになり、結局は言いなりになってしまうからです。営業マンは言い訳のプロですし、クレーム対策も積み重ねた経験で磨き抜かれていますから、早めに「業者名+SEO+評判」といったキーワードで検索して記事を読んで、洗脳を解かれることをお勧めします)。

ドクターは一通り業者の手のひらの上で踊って、無駄に時間とお金を費やした後で、やっと気がついてその業者に見切りをつけ、他の業者にリカバリー対策を頼むことになります。

さしもの竹田先生も「こりゃアカン」と見切りをつけて、違うホームページ業者に依頼して、検索エンジンのペナルティーからクリニックのホームページを救い出してもらいました。この業者はちゃんと仕事をしてくれたので、 表示順位は10位以内に入りましたが、患者さんは一向に増えません。やっぱり新しくできたライバル医院に取られてるのかなぁ？　ホームページ業者は、「最初から全部ホームページを作り直さないとダメだ」と言ってるけど……

↑ここで話は元に戻ります。医院ホームページは、｢医療広報｣のために作るのが本来の目的です。患者さんは他の医療ホームページも比較して見ているわけですから、もしクリニックのホームページが検索上位に表示されていたとしても、読者の心に届くコンテンツでなければ、集患には結びつきません。
また検索エンジンのほうも、患者さんのほうを向いてきちんとていねいな中身を作っている医療ホームページは、黙っていても上位表示してくれるようになっています。なぜなら検索エンジンにとってもそのようなサイトが好ましいからです。

では集患できるコンテンツの本質とは何か。それは提供している医療の専門分野についてきちんと記述されているだけでなく、なぜその治療法が好ましいのか、当院で治療すると何が良いのかについて説得的に書かれていること。そしてデザインや写真などホームページ全体が安心感を醸し出していることにあります。これらの条件が揃っていなければ、クリニックを選択している患者さんに来患動機を与えるほどのインパクトのあるホームページとは言えません。看護師や歯科衛生士、後期研修医のリクルーティング効果についても同様です。

つまり、これもまたどの世界でも同じことなのですが、プロが技を競い合っている世界では、テクニックの良し悪しででき上がりはまったく違うものになります。患者さんに選んでもらえる医療サイトを作りたいのであれば、こうした条件をクリアできるホームページ制作業者をうまく選択しなければならないわけです。

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