クリニックのホームページ制作サイドから見た
新規開院/開業コンサルティング.2

これからクリニックの新規開院をご計画されている先生方へ

新規ご開業たいへんおめでとうございます。地域医療は先生方のご双肩にかかっています。

当社にも、よく新規開院クリニックのホームページについてのお問い合わせをいただきますが、まだ何も決まっていない中で、開業までにやることの優先順位を立てづらくて、お困りの様子がよく伝わってきます。
そこで、医院の集患の鍵となるホームページの立場から見た、新規開院の先生へのアドバイスをまとめてみました。
クリニックを承継する先生の場合も、ほぼ同じように考えてよろしいかと存じます。

「クリニックの名前」で運命が決まります
SEOの目標を立てる=クリニック経営上一番重要なこととは
ホームページ公開のタイミングにこだわらないでください

最近のGoogleは新規開院クリニックにやさしくない
ロゴマークよりも重要な院内印刷物とは?
開業成功スパイラルと、やばクリ・つぶクリの分かれ目はどこにあるか

最近のGoogleは新規開院クリニックにやさしくない

もうひとつ、クリニックのオープンと同時にホームページを公開しても、あまり実効的な意味がない理由として知っておいていただきたいのが、Googleの最近の傾向です。
当社はホームページ制作会社として、随分長い間、この検索エンジンとお付き合いさせていただいておりますが、最近の傾向として特に顕著なのが、順位が上がるスピードがとても遅くなっているということです。

2013年頃は、ホームページを公開して1週間もすれば、すーっと順位が上がってきて、ちゃんと10位以内に表示されていたのですが、最近は1カ月、下手をすると2カ月以上たたないと、ターゲット・キーワードで10位以内に入らないケースがでてきています(逆に、すぐ順位が上がるケースもあります!)。
これは、検索エンジンのアルゴリズムが、以前と全く違うものに変更されたことを反映してのことだと思います。
また、以前は新しいホームページはアドバンテージを見てくれて、上位表示されやすい傾向があったのですが、最近はそれもあまり感じられません。

クリニックの経営的側面から見ると、窓看板などを見てクリニック名で検索する新規患者さんを除いて、「地域名+診療科名」で検索している純粋な意味でのホームページで集患する患者さんは、開院後1カ月以上たたないとクリニックに寄ってこないということを意味しています。ですから当社も、サイトをオープンしてから1カ月程度は10位以内に入らないので、月額ご利用料をいただかずに、調整作業を行うケースが多いです。
つまり、ホームページによる集患効果は、以前に比べれば実感できるのが遅くなっていると考えるべきでしょう。
ロケットスタートが難しくなってきているということは、運転資金に余裕をもったクリニック運営が必要になっているのかもしれません。
あまり気持ちの良い話ではありませんが、お心に留めておいていただいたほうがよいかもしれません。
駅に近いクリニックほど、ホームページの集患効果が早く現れるようです。駅から距離のあるクリニックの患者さんは、ゆっくりですが確実に増やせます。

ロゴマークよりも重要な院内印刷物とは?

当社でも、ロゴマークやロゴタイプ、名刺や封筒などの院内印刷物のデザインを承っています。
しかしながら、これらはどうしても開院当初から必要なものではありません。
クリニック経営が軌道に乗るまでは、後回しにしておいても、何の差し支えもないものと言えるでしょう。
「形から入るのが信条」という方でなければ、ロゴマークの設定などは手間ひまがかかるので、あえて多忙を極める新規開院の際に行わなければならないとは考えなくてもよいでしょう。
クリニックの封筒にロゴマークが入っていなくても、何の不便もありません。

ただし、「ビジュアル・アイデンティティー」という考え方はとても重要です。
看板の色と、ホームページの色が全然違う色であっては、患者さんは混乱してしまいます。もし看板を建築業者や内装業者に安く依頼されたのであれば、ホームページのタイトルの書体や基調カラーを看板のほうに近づければよいのです。この点の気配りはとても大切です。
看板デザインはクリニック周辺の環境や、多数の人が見る角度、日差し、すでに設置されている大型看板との兼ね合いでデザインや色が決まってきます。そちらにホームページを合わせるように、ホームページの制作業者に指示してください。

ロゴマークについて、最近は破格に安く作る業者があります。これは大体、デザイン学校の学生や卒業生にアルバイトで安く作らせて、それを手直しして提案するという手法をとっているようです。
本来のロゴマークは、地域社会の患者さんや供給業者だけでなく、クリニックのスタッフも両方が見るクリニックのシンボルとして、ドクターの医療に対する姿勢や、医療を通して地域社会でどのような貢献をしたいと思っているかというクリニックのアイデンティティーを取材して形にし、そこから描き起こすべきものです。
そうやってロゴマークと、ロゴタイプを設定して、それをクリニックの看板、院内のサイン計画、名刺・封筒などの院内印刷物、開院案内チラシなどに統一的なイメージとして反映させるのが、正しい手法です。
ただしこれをやっていると、大変な手間ひまがかかりますし、順番をまちがえると内装などに手戻りが発生することがあるので、とてもじゃないですが初めてクリニックを開業するドクターの手に負えるものではありません。
クリニックを増改築するような第2段階に取り入れるのが一般的です。

院内印刷物として、ひとつだけ作っておくと必ず役に立つのは、A5かA6サイズの紹介チラシです。
パソコンで自作したもので構いません。クリニック名と、診療日、診療時間、地図くらいの内容でよいでしょう。また「新規開院」を強調しておくとよいでしょう。
会計の際に、お帰りの患者さんにお渡しすると、高確率で他の方にクリニックの情報を伝えていただけ、「じゃあ、わたしも行ってみようかな」という誘導につながります。
人は、自分がクリニックで診療してもらって治ったら、それを自分の周りの人たちにも伝えたくなるものだからです。

開業成功スパイラルと、やばクリ・つぶクリの分かれ目はどこにあるか

制作会社にクリニックのホームページの作成代行を依頼したい場合、知り合いに紹介してもらうのでなければ、まず開業コンサルや薬剤卸など、クリニック開業に関連する業務を行う会社が紹介してくれるケースがあります。もう一つはドクターご自身で、「医療 ホームページ作成」などのキーワードで検索して制作会社を探すことが考えられます。
料金としては、月々5,000円から3万円程度のところが多いでしょう。
また、基本的情報だけなら無料で運営が可能なホームページもあるはずです。
値段も様々であれば、そのホームページの持つ集患効果も様々でしょうから、どこの制作会社のどのコースがよいということは論評しにくいことです。

ひとつだけ念頭に置いていただいたほうが良いと思うのは、「とりあえず安いホームページを作っておいて、患者さんが増えてクリニック経営に余裕ができてから、もう少し気配りの効いたリッチなホームページを作ればよいだろう」という考え方は、あまりお勧めできないということです。

ご存じの通り、医療経営が楽だった前世紀と異なり、現代では新規開院クリニックの経営格差は極端に拡大しており、都会ではだいたい新規開院の3軒に1軒はやばクリ・つぶクリになるといわれています。「やばいクリニック」「つぶれそうなクリニック」という意味です。

「とりあえず」の安いホームページで開院して、立地や競合状況の按配で集患できず、不幸なことに経営状況が悪化した場合、そこから抜け出すのはかなりたいへんなことになります。
気持ちも後ろ向きになりがちなので、「新ホームページを作って新規に巻き返そう」という方向にも向かいにくいかもしれません。

それよりも、資金のある開業当初から集患性が高いホームページを作って、先生ご自身の得意とされる分野の、「やりたい医療」の患者さんを集めて、医療機器を高回転させて、どんどん患者さんを呼び込み、また周辺分野に拡張する成功スパイラルへ進まれたほうがよろしいのではないでしょうか。
当社のクライアント様の場合、「やりたい医療」の患者さんをどんどん増やして、そこからさまざまな方向に枝葉を延ばしていらっしゃる先生方がたくさんいらっしゃいます。

開院当初は患者さんが少なくて、スタッフも暇をもてあましていて、週のうち3日くらいはアルバイトに出かけておられていたのに、だんだん患者さんが増えてきて、そのうちテレビや新聞で取材されるようになり、二診制になり、三診制になり、診療科を増やし、駐車場を拡張し、分院を出し、3軒目を出し、そうこうしながらちゃんと論文をジャーナルに載せ、学会運営にも乗り出そうという充実した開業医人生を歩まれています。

ユーザードクターによる クリニックホームページ制作体験談

こうした先生方は、ベースとなる患者さんの集患をきちんと行って医院経営を軌道に乗せた上で、次のステップとして、やはりクリニックの「売り」になるモノを、それが保険認可されたときにいち早く見つけ、それをまたホームページで告知することで大きく飛翔するチャンスを掴んでおられるようです。

貴院も、これらの先生方と同様に、開業医として大きくご成功されることを、心より祈念しております。


※当社は、開業コンサルは行っておりません。
クリニックのホームページを制作する場合は、集患できるホームページをつくる観点から、ご質問いただければご提案を申し上げることはございます

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