クリニックのホームページ制作サイドから見た
新規開院/開業コンサルティング.1
これからクリニックの新規開院をご計画されている先生方へ
新規ご開業たいへんおめでとうございます。地域医療は先生方のご双肩にかかっています。
当社にも、よく新規開院クリニックのホームページについてのお問い合わせをいただきますが、まだ何も決まっていない中で、開業までにやることの優先順位を立てづらくて、お困りの様子がよく伝わってきます。
そこで、医院の集患の鍵となるホームページの立場から見た、新規開院の先生へのアドバイスをまとめてみました。
クリニックを承継する先生の場合も、ほぼ同じように考えてよろしいかと存じます。
なお医療法人化や税金面の問題はこちらのコーナーへ→新規開院アドバイス クリニック専門税理士による医療税務指南
「クリニックの名前」で運命が決まります
SEOの目標を立てる=クリニック経営上一番重要なこととは
ホームページ公開のタイミングにこだわらないでください
最近のGoogleは新規開院クリニックにやさしくない
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開業成功スパイラルと、やばクリ・つぶクリの分かれ目はどこにあるか
「クリニックの名前」で運命が決まります
まず、保健所に開設届を出すまでに、クリニックの名前を決めなければなりません。
クリニックの名前について、検索エンジンから見て大切なことは、個人名を名称に入れることよりも、「地名か駅名」と「診療科名」を入れることです。
これによって、自然なSEO対策ができるため、Google上ではとても有利になります。
逆に、例えば「個人名+クリニック」のような名称ですと一般的には、とても不利です(ですが腕のよい制作会社なら、障害をクリアして上位表示できるでしょう)。
診療科そのものずばりでなくても、小児科なら「こども」「キッズ」、産婦人科なら「マタニティ」精神科なら「メンタルクリニック」といった、関連性のあるワードでもOKです。
あまり地名が気に入らないとか、長くなってしまうと思われる方は、開設届けの名前には正式名称として長い名前を届けておいて、看板など目立つところでは地名を小さく扱うようにすればよいでしょう。
また、地名についてはなるべく近隣のメジャーな地名や駅名を付けることが望ましいです。なぜなら、その地名で検索する患者さんの数が多いからです。
ダメ元で広域や隣町の地名で保健所に届けを出してみると、意外と認められるケースもあるようです。
診療科については、以前はたくさん届け出ることができたようですが、最近はやたら複数の届出には厳しくなっているようです。
またホームページのドメインについては、地名にこだわる必要はありません。医療機関はあまり引っ越しは考えないものですが、もし将来引っ越しがありうると考えられるのであれば、ドメインから地名を外して短くしたほうがご賢明です。
SEOの目標を立てる=クリニック経営上一番重要なこととは
これを逆にSEO(検索エンジン最適化)から見ますと、クリニックを開院する地域名と、標榜する診療科で検索したときに、ホームページが10位以内(1ページ目)にちゃんと表示されるようになれば、「患者さん集めの機能」としてじゅうぶん合格と言えるでしょう。
診療所の経営では、新規患者さんさえ安定的に集められれば、たいていのことは乗り越えられます。「新規患者さんが来ないこと」が、医療経営の最大の問題であり、ホームページが上位表示されていれば、よほどまずいホームページでない限り、順位に比例して新規患者さんが獲得できるということは統計的に実証されています。
クリニックのホームページの製作代行を依頼する場合は、とにかく上位表示できる業者を選択したほうがよいでしょう。
借入金が早期返済できるかどうかは、まさにここにかかっています。
もう一つ重要なことは、診療内容の「選択と集中」、つまり開院するクリニックの「売り」を何にするか。この見定めです。
大学病院や大規模病院では、さまざまな疾患の患者さんが来るため、あまり意識されない先生が多いと思いますが、クリニックでは「当院の得意分野」を強く打ち出したほうが、患者さんを集めやすいのです。
それはもちろん、先生が今まで研究されてきた、一番得意な分野で結構なのですが、その治療を行うために必要なものを開院までに手立てする必要があります。
その治療のために必要な医療機器がある場合は、そこから考えをスタートされる先生が多いと思いますが、得意分野の治療をどのようにアピールするかも平行して考えるべきです。
クリニックのホームページでは、当然ながら、先生のクリニックで「売り」にしたい診療について強調し、きちんとボリュームをとって記述して、SEO的にも上位表示されるように工夫する必要があります。
ちゃんと「やりたい医療」をホームページに記載しておけば、露出が増える分だけ、患者さんが来始めます。そしてしばらくして、クリティカルマスを突破すれば、クリニックの看板診療として確実に定着するはずです。
ただ漠然と「○○科で開業する」と考えるのではなく、一歩踏み込んでマーケティングを考えることで、クリニック経営はまったく違ってきます。
ホームページ公開のタイミングにこだわらないでください
開業は新しいスタートですから、「開業と同時にホームページができていてほしい」と思われるお気持ちは痛いほどわかるのですが、ホームページの作成には1~2カ月かかるのがふつうです。また、医療機器が入ってからでなくては、撮影することができません。
なぜ当社のホームページ制作にそんなに時間がかかるかと申しますと、当社がクリニックのウェブサイト制作の目的としているのは、「貴院がどのような医療を、どのような姿勢で提供しているか」を、想定している患者層にいちばん効果的に伝えることだからです。そのために、先生にインタビューして貴院の経営戦略と、実際に可能な集患の方向性を策定してサイト企画を決定し、それにもとづいて取材・撮影を行い、材料を集めた上で、それを最終的に整理しデザインに強弱をつけ、各項目ごとのバランスも考えて最高の表現を追究しているからです。
3カ月前から物件を借りて、週に1日くらいオープンしながら徐々に準備するといった場合なら、正式開業日にホームページを間に合わせることもできますが、そうしたケースは稀で、内装ができて看板ができ、医療機器が運び込まれるのは開業5日前くらいです。
しかもその間スタッフの訓練もしながら内覧会もやるということであれば、ホームページの撮影なんかやっていられません。
最短で作成するには、1カ月前くらいに取材して先にテキストを完成させておいて、内装ができたらすぐ撮影を行い、デザインを特急で仕上げるという方法があります。つまり取材を2回行うことになります。
もう一つの方法は、本ホームページができるまでの仮サイトを作っておくことです。ただし本格的なものを作るとGoogleに跡が残るので、SEO上まったくおすすめできません。1ページだけの簡単なものにしておくのがよいでしょう。
つまり、恐縮ながら先生のお考えを変えていただいたほうがよいことと存じます。
「開業時にホームページができている」というのは基本的には、適当にニコパチで撮ったスナップを、出来合いのテンプレートに張ってかんたんにホームページを作るという方法以外では無理なことであるのは、上記でおわかりいただけることと存じます。
しかしながら、開業後の長い時間の歩みを考えますと、ホームページを作成する1~2カ月というのは、実は一瞬のことなのです。
「前の病院から患者さんを連れてくるから、ホームページができてないとダメなんだ」と仰るドクターもいらっしゃいますが、その患者さんたちはもう新規開業クリニックのことを知っているわけで、すでに獲得済みの患者さんです。釣った魚にエサをやる必要はありません。必要なのはこれから集める患者さん向けに、最適なクリニックホームページを作ることです。
クリニックのほうも改業してすぐは、まだまだ地元への浸透度も低いので、患者さんが押しかけるというわけではありません。診療方法や、スタッフの訓練を模索しながら行う期間です。
ですからオープン当日にホームページができているためにいろいろ無理をするというのは、ハードルが高い割に効果が少ない=「費用対効果」で考えるとまったく割に合わないことです。
クリニック経営には、患者層や診療圏など蓋を開けてみないと分からないこともありますし、それにつれて診療内容も変わっていくわけですから、むしろ開業後の患者さんの傾向も取り込みながら、じっくりホームページを作成したほうが、その後の集患を考えるとプラスが大きいはずです。
後になってみると「あんなに新規開業時のホームページ完成にこだわったけど、全然意味なかったなあ」と振り返られるドクターがほとんどでしょう。
ですので、「開業時にホームページが完成しているべき」という思い込みをひとまず棚に上げていただいて、長い目で見て一番有利になる方法を選択されることをお勧めします。
※当社は、開業コンサルは行っておりません。
クリニックのホームページを制作する場合は、集患できるホームページをつくる観点から、ご質問いただければご提案を申し上げることはございます
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